週末の寝だめは要注意!「時差ボケ」状態を作る!? 

2019年05月02日更新

「寝だめ」は生活リズムを狂わす原因。5時間寝だめすると・・・。

週末の寝だめは要注意!「時差ボケ」状態を作る!? 

平日の睡眠不足を週末にまとめて「寝だめ」することで解消しているという話をよく聞きます。これは本当に効果があるのでしょうか?いいえ、むしろ逆効果なんです。

 

普段より2時間多く眠ると、生活リズムが2時間ずれます。これは、時差があるところに旅行して、2時間の時差ボケ状態を作るのと同じことです。これは社会的時差ボケと呼ばれています。時差ボケは生活リズムが乱れるので「眠い」「体調が悪い」「頭がぼーっとする」などの症状が起こります。寝だめで起こる社会的時差ボケも体内時計が狂い、これと同じことが起こります。

 

土日に寝だめをして時差ボケ状態のまま月曜日を迎えると、身体の調子が悪くなります。実際に学校の保健室の利用は月曜日が一番多いそうです。1日寝だめをすると、元の調子に戻るのは同じく1日かかるといいます。土日で2日間寝だめをすると元の元気な状態に戻るのは水曜日。寝だめは睡眠不足を解消するどころか、翌週の体調不良を引き起こします。

 

平日に十分眠って、週末も同じように過ごすのが理想ですが「休みの日くらい多く寝たい!」というのが世の常。その場合は大人は2時間以内、小中学生までは1時間以内に留めておくのが目安です。

 

極端な話ですが、5時間寝だめをすると、ハワイに旅行して時差ボケになるのと一緒。週末に弾丸でハワイに行って、月曜日に学校や会社に行く。想像しただけでもキツそうですよね。週末もできるだけいつもの生活リズムを崩さないようにしてくださいね。

この記事の監修

内村先生

内村 直尚(うちむら なおひさ) 先生

久留米大学医学部長

国内トップレベルの睡眠研究チームを率いる睡眠障害のエキスパート。睡眠障害の研究に加え、統合失調症やPTSD、うつ病などの精神疾患に伴う睡眠障害についての検討も行い、臨床、研究の両面で高いレベルの医師の育成にも注力している。