冬の眠りには「湯たんぽ」が最強なワケ

2018年02月02日更新

寒さで寝付けないとき、「湯たんぽ」が最強なんです。ファンヒーターでも、電気毛布でも、エアコンでもなく、「湯たんぽ」なんです。そのワケは・・・。

毎日寒い日が続きますね。寒いと夜、なかなか眠りにつけない…という方も多いのではないでしょうか。人がぐっすりと眠るために大切なのは「音・光・湿度・温度」の4大環境を整えることです。

 

①音…騒音を40phone以下に抑える(静かな図書館程度)

②光…30ルクス以下の暗い環境にする(物陰が見えるか見えないかくらいのレベル)

真っ暗でしんとした環境だとかえって不安になってストレスになる場合もあるので、豆電球をつけて寝るなど、ストレスのない環境にするとよいでしょう。

③湿度…50~60%くらいが良いといわれます。

④温度…夏は25℃、春秋は20℃、冬は15度くらいが理想です。

 

人は一日の中で体温の振れ幅の周期があります。体温が下がると眠くなり、上がると目覚めやすくなります。赤ちゃんや子供が眠くなると体が熱くなるのは、体内の熱を放出して体温を下げて、眠る準備をしているからです。

 

この体温の上下を妨げないように、冬は眠るときに部屋を温かくしておいて、だんだんと温度が下がる環境を作るのが理想的です。暖房をつけっぱなしにしたり、こたつの中で眠ると体の調子が悪くなるのは、温かいままの状態が続いて深い睡眠がとれないからです。

 

ここで冬にお勧めしたいものが「湯たんぽ」。はじめは温かく、だんだん冷めていきますよね。まさに人が眠るために必要な温度環境をサポートしてくれるのです。冬に快適に眠れるよう理にかなった道具です。昔の人の知恵には本当に感心しきりです。

この記事の監修

内村先生

内村 直尚(うちむら なおひさ) 先生

久留米大学医学部長

国内トップレベルの睡眠研究チームを率いる睡眠障害のエキスパート。睡眠障害の研究に加え、統合失調症やPTSD、うつ病などの精神疾患に伴う睡眠障害についての検討も行い、臨床、研究の両面で高いレベルの医師の育成にも注力している。